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鍼灸とはいったい何なのか?
鍼灸(しんきゅう、わかりやすくはりきゅうと呼ぶときも)とはいったいどのような治療法なのか?について説明していきます。皆さんが思っていることは痛いところに鍼をして痛みやコリをやわらげたり、冷えているところにお灸をして血流をよくしていく治療法と思っていることだと思います。大まかには間違ってはいません。ですが、私は臨床歴も25年ほどありますが、非常に奥深く、まだその本当の秘密にはたどりつけていないのではと感じることもあります。難病が奇跡的に私の治療で治ったかと思えば、肩こりが何度やっても取れないなど、鍼灸っていったいどのような治療法何だろうと悩むことも多いのですが、今わかっていることだけでもいろいろ解説していこうと思います。今後いろいろ見解が変わるかもしれません。令和4年11月3日にて記載した文章です。
鍼灸は局所ではなく身体全体をみる医学
東洋医学は、身体をひとつの小宇宙としてとらえたり、2面性を持った陰陽ととらえたり、五行と5つの属性に分けたりしています。ある程度拮抗が取れているときは病にはならないのですが、そのバランスが大きく傾いたときに自分の力ではそれを戻すことができなくなった時に病であると定義しています。
東洋医学の中には大きく分けて漢方薬と鍼灸・整体・気功などの二つに分かれていきます。中から治すものと外から治すものです。鍼灸・整体・気功の3つはそれぞれ違うものではありますが、手を使うというところは一致しております。いかに手で触れながら異常を感知できるかがポイントになりますので、手や指をいかにきたえておくかが大事です。というと筋トレのイメージがあるかもですが、そういう圧ではなく触れるというところが大事にはなります。
世界でも認められてきた鍼灸
もともと日本もしっかりと鍼灸がおこなわれていた時代がありました。それが残念ながらうまく伝わってこなかった真実もあります。それによってたくさんの流派を作り出してしまった背景があります。学生さんも何を学んだらいいのか迷っているという話をよく聞きます。それぞれの流派でいいところもあり、悪いところもあるのですが、私が感じるいいものとはその流派には歴史があるかどうかだと感じています。昔の鍼灸師が大事に大事にしながらも家伝として伝わってきたものがおそらく一番本物であると思っています。その本物の技術は中国から世界へと伝わっていきました。世界の中でもアメリカにて本物の鍼灸が伝わっていったといいます。WHO(世界保健機関)でも鍼灸を科学的根拠のある治療法として認定されております。
本当の鍼灸を求めて
私も学生時代には様々な鍼灸の流派をみてきました。自分の求めるものが日本では探すことができなかったので中国にわたり学びました。そして中国で学んだものを軸にして日本に戻り鍼灸院を開業して25年くらいがたちました。開業してからもどこかに良いものがないのかなどは常にチェックしていたのですが、なかなかみつからなかったところ、偶然に董氏楊氏奇穴という鍼灸に出会えました。その内容が長年私が探していたものであったのですごく感動したのを覚えています。日本にはあまり本がなかったのでとりあえず中国に行って本屋を2泊3日で廻ったのはまだ最近のことです。その後、日本でも有志が集まって勉強会をしているという情報を得て私も年に数回参加して学んでおります。もちろん現在進行形で学び続けている状況です。
令和6年からはさらに勉強の意欲も高まってきて有志を集めては当院で勉強会も定期的に開くようになりました。人に伝えるということで自分の学びも深まるので自分のためにもなっております。同業者の方でぜひ興味のある方はお問い合わせください。
院長はこのたび医師がおこなっている断薬・減薬サポート講座であるNBM4を無事卒業しました
NBM1~3では日常生活習慣の改善により身体が変化していくことを学びました。それによって自宅でのセルフケアをご指導しております。NBM4では実際、医師がどのように断薬や減薬をしていくのかの流れを学んできました。
それにより鍼灸治療だけで改善しない方への提言として、興味のある方には鍼灸以外のことでも助言もさせていただいております。もちろん院長指名にてお知らせください。その際は、火曜日曜祝日以外にてお知らせください。予約時にはセルフケア指導も希望とLINEにてお知らせください。
これはもちろんのことですが、私は医師ではないので直接、薬の飲み方などのご指導などはできませんので、ご理解ください。あくまでできることは薬以外でできることの鍼灸とセルフケアのサポートとなります。
鍼治療で使う鍼の太さは、通常、直径0.12~0.25mm程度の細いステンレス製の鍼を使います。よく髪の毛と同じくらいですよと伝えております。長さは2から5センチくらいありますが、これもすべて刺すわけでなく、実際刺すのは数ミリの時がほとんどです。
日本で学んだのは管に鍼を入れて刺す方法、中国で学んでものは管を使わない方法、そして刺さない鍼などもあります。その方の希望や体質にあわせて鍼も分けていくのが効果を高める方法ともえます。
あと、もちろんですが使い捨ての鍼を使用しておりますのでご安心ください。私は国家資格に鍼灸が変わって第1号ですが、それ以前に取得された方は、オートクレーブでの滅菌で何度か同じ鍼を使うことが主流でありました。50歳以上の鍼灸師の方の治療を受けるときは念のためご確認していてもいいかと思います。
お灸に使うもぐさは、ヨモギの葉を乾燥させたものになります。それを奇麗に精製してできあがります。昔はそれを直接皮膚につけて皮膚を焼くのが主流でした。最近ではいかにやけどを起こさずおこなうかが大事なので直接灸の依頼はどんどん減ってきております。
かわりにせんねん灸という直接ではなく間接的に温めるものが主流となっています。お灸女子という言葉もできて、女性の方が健康や美容などを目的として自宅でお灸をするのが多いです。もちろん当院でも灸の場所などのご指導をおこなっております。画像がせんねん灸となります。
例として、小児での養生灸や、逆子や安産のためのお灸、体外受精前後でのお灸、喘息や蓄膿の方へのお灸、魚の目などにお灸は使われております。
鍼灸治療とカッピング(すいだま)にてでは緩まないポイントがあります。その部分には猫背矯正や骨盤矯正にてもおこなっております。当院のスタッフが女性のみのため女性の方限定で鍼灸と整体の組み合わせも可能です。男性の方も体格によっては可能な時もあります。
男性院長と板楠の組み合わせでを希望の場合、火曜日曜祝日以外をお知らせください。また女性スタッフは全員が鍼灸と整体の組み合わせは可能になります。また、首のこりや五十肩など必要なポイントには院長の判断で院長も整体をおこないますので希望の方はお知らせください。
整体マッサージのみの施術をお望みの場合は予約時にてお知らせいただくことで予約が可能になります。7階の道津か垣添が担当になります。
鍼灸治療以外にもカッピング(すいだま)という治療法も当院では採用しております。院長が学生時に修行した上海の地段医院にて学んだやり方です。
昔はカッピングといえば血を吸い出す療法でした。最近では感染の問題もあり安易に血を出すことが危険になりましたので、血をださずに痕だけ残すことが主流となっています。
慢性疲労の強い方や痛みの強い方、瘀血がたまっていそうな方におこないます。鍼灸治療をやった後におこなうことで更なる改善が見込めますので、特に頑固な症状でお困りの方にはまずはやってみたい療法といえます。
また、カッピングにも強弱があり痛みの強い方に運動すいだまというものがあります。興味のある方はお聞きください。
鍼灸の効果について
もともと、鍼灸治療を受ける患者さんの多くは高齢者であって、腰痛や肩こり、ひざの痛みなど、コリや痛みなどをメインでおこなっていました。
ですが最近では様々な研究や臨床の積み重ねにより多くの症状に効果が期待できることまでわかってきております。ですが、だからといって鍼灸師の全員が同じ結果を出すとは限りません。鍼灸という技は職人的な要素が大きいので、鍼灸師のレベルによって効果が違う事は知っててください。もちろんですが症状がひどいときほど効果の高い鍼灸の流派を学んでいる方でさらにその経験値が深い鍼灸師の方の治療を受けることがおすすめとなります。
また、鍼灸師もそれぞれが得意分野を持っております。すべての病気を学べるほど時間もないですし、多くの鍼灸師は何かに特化してそれを深く学ぶのが主流であります。もちろん自分の病気の治療を得意とする鍼灸師を選ぶことはおすすめになります。
具体的な鍼灸の効果としては以下の4つがあります。
・血流を上げること
・痛みを鎮める
・炎症を抑える
・神経調節をおこなっている
鍼灸をすることで体内の中ではこれだけの反応がおこります。ただ、どこに打ってもこのような反応がおこるわけではありません。ちゃんとした穴というところに、適切な鍼の刺激をいれることで、上記の反応はより高まっていくことになります。という事からも鍼灸師のレベルは高ければ高いほうがよりよいです。
鍼灸の効果や有効性がWHOでも認められている症状や疾患について
NIH(米国 国立衛生研究所)による、鍼灸療法で有効性がある病気には、次のものがあげられています。
【神経系疾患】
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
【運動器系疾患】
関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防
【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
上記疾患のうち「神経痛・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腰痛」の慢性症状について、鍼灸の効果が強く認められています。
(鍼灸netより抜粋させていただきました)
鍼灸治療の後、症状の原因で考えられるものや、治療について、今後についてどのように治療を受けるのかの説明をさせて頂きます。軽い症状の場合は説明は少なくしておりますが、聞きたい方はぜひお知らせください。
出来る限りみなさんに分かりやすく説明をさせて頂くようにしています。ご自身の身体のことについて深く知ることは、特に慢性症状で苦しんでいるかたの回復にとって大切なことです。
まずは日常的な睡眠、食事、運動などの改善や、飲んでいる薬やストレスや人間関係についてもアドバイスしております。この時、あなたにあった治療計画もたてていきます。
鍼灸をするうえで一番大切なこと
みなさんが思うのはたぶん鍼の打ち方ではないかと感じていると思います。実際鍼の打ち方に関しても終わりはなく日々研究の毎日ではあります。
でももっと大事なことはどの場所に打つかという事です。穴の場所は決まっているのですが、微妙にずれたりもします。人によってもずれているし、体調などでもずれたりします。また、病になると穴の場所も異常をきたしていきます。的確に穴にあてれるかが大事です。
そのために大事なのは手であったり指であったりします。触りながら感じてどこがおかしいかを見つける作業が大事です。上手な鍼灸師はみんなこの作業が得意であります。経験を積めば積むほどソフトな刺激で穴の場所がわかっていきます。
穴を探すときのコツは力を抜く事です。力を入れれば患者さんも力が入ります。それによって穴が見えにくくなるのです。まずは肩の力を抜いて穴を探す能力が必要です。もう一つ大事なのは鍼を打つ手でなく打たないほうの手です。私は特に意識しているところです。反対側の手でどこを触ったり、どこにおいて鍼をするかが大事になります。
最後に、身体を治すことは決して鍼灸をすることだけではないという事です。技術だけにとらわれてしまうと治るものも治らなくなります。私もそういうときがありました。技術はもちろん大事です。というか当たり前です。それ以外の何かを探したり、気づくことが大事ですが、これに関してはここでは答えないようにしておきますね。また、ぜひそれが何かを皆さんそれぞれが感じてほしいと思います。
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